あなた、おひさしぶりですね。そちらでは元気でやっていますか。変わりはありませんか。
あなたが亡くなってから3年が経とうとしています。 早いものですね。 あなたのいない生活を3年も続けていることに私自身が感心しています。
あれは3年前の夏のことでしたね。 長期出張だと私にウソをついて病院で手術を受けていたことを知った時はおどろきましたよ。 どんなに治る見込みのない病気であったとしてもせめて知っていたかった。 優しいあなたですから、私に心配をかけたくないと思ったのでしょうね。 でも、胸がはりさけそうなくらい悲しかったのですから。
私を笑わせることが大好きだったあなた。 本当はからだがつらいのに、病室でもいつも通りを振舞おうとして私を笑わせてくれましたね。 つらい、つらい、病と闘う姿を私の前では見せまいとしてくれたあなた。 私の笑顔を見て安心したように微笑むあなたの笑顔が大好きでした。 私のおなかに、あなたの子供がいるとわかったとき、病室のベッドで泣き崩れて喜んでいましたね。 楽しそうに子供との将来を看護婦さんに話していましたね。 自分の子供を見るまで自分のからだがもたないと知っていながら。 女の子だと分かったとき、自分のお嫁さんにする、と嫁である私を前にして話したときはふたりで笑いましたね。
あなた。あなた。
最期の頃には私が誰だかわからなくなっていましたね。 とてもつらくて、せつなくて、なみだがでました。 しゃべることもできなくなったあなたは、それでも私に手紙を書いてくれていましたね。 いつも几帳面な文字を書くあなたが、文字とも判別できないような字でいっしょうけんめい書いてくれていましたね。 何が書いてあるのか分からなくてほとんど読むことができなくてごめんなさいね。 でも、さいごの5文字、「ありがとう」だけは読めました。 あなたが私に伝えたかったこと、それだけ分かれば十分なのですよ。 あなたが私を分からなくなっても、あなたと過ごした日々に私の方こそ「ありがとう」と言いたいのです。
あなたと私の娘ももうすぐ3歳になります。 あなたの目とそっくりです。
この娘がお嫁に行くまで見守っていてくださいね。
いつまでも愛していますよ、あなた。
」を使って20文字以内で短文を作れ。( H.15 東洋文化大 国語I)